LARRY JUNE profile
「新しいクーペに乗り、グリーンジュース片手に札束を数えるジェームズ・ボンド」──このラッパーの飄々とした優雅さを表現する代表的なラインだ(”Still Cookin”)。
ラリー・ジューン(Larry June)はサンフランシスコ出身のラッパー。4歳でアトランタに移住し、南部の文化と音楽がラリーの心を射止めた。そして夏は西海岸で父親と過ごすといった生活が、ラリー・ジューンの大きな特徴である西海岸の上品なアティチュードと南部のサウンドを形作っていく。8歳でラップをはじめて15歳の時には初のミックステープを制作、それから2023年現在に至るまで10枚のスタジオアルバムと8枚のコラボアルバム、11枚のEP、5本のミックステープと凄まじい数の作品を発表。これまでポスト・マローン(Post Malone)のツアーへの参加やウィズ・カリファ(Wiz Khalifa)、カレンシー(Curren$y)、ハリー・フロード(Harry Fraud)、ジェイ・ワーシー(Jay Worthy)といったアーティストたちとのコラボレーションを行ってきた。2021年発表作品『Orange Print』は各メディアの年間リストにランクインし、批評家からも称賛され、彼の地位を確固たるものに。また健康志向なハスラーとして様々なビジネスを抱えており、NPRの人気企画「Tiny Desk Concert」に出演を果たした際はテーブルにオーガニックのフルーツジュース、ラリーの横には2台の携帯電話が置かれていたことがそれを象徴しており、彼をよりアイコニックな存在として周知させた。2023年3月にリリースした最新作は、伝説的プロデューサー、アルケミスト(The Alchemist)とのコラボアルバム『The Great Escape』。アルケミストのシンプルで絢爛なビートとの融合はラリーの楽観主義と芳醇な世界観をさらなる高みへと導いた。